週刊アクセス
 
 
平成13年10月3日 第76号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
米同時テロ、オフィスビル業界にも影響表明
総務省 固定資産税台帳の縦覧範囲拡大を検討
既存住宅の耐震性能評価業務開始 日本ERI
 
     
     
  米同時テロ、オフィスビル業界にも影響表明  
  週刊文春 2001.10.4号  
 
 米同時多発テロによる行方不明者は6千人を超えたが、テロの衝撃はそれだけに留まらない。
(中略)
 ウォール街直撃テロだけに米金融機関の業績も悪化すると予測されているが、そのとばっちりを受けるのがオフィスビル業界。
 「中でも森ビルは大変でしょう。六本木に建設中の高層ビルにはゴールドマン・サックスが業績好調時に入居予定にしていたが、この不況ですでにリストラを進行中、このままキャンセルの可能性が高そうです。新築ビルの約三分の一をゴールドマンで占め、専用玄関まで設置したというが、新たなテナントを見つけられるか」(不動産会社社長)
 もともと都心の大型高層ビルは、外資系企業の入居を前提に建てられている。日本企業の場合、ある程度の広さが必要になると自社ビルを持つからだ。
 「2003 年には六本木、汐留、丸の内、品川などで高層オフィスビルが完成するが、入居予定の外資系企業が景気の悪化でキャンセル続出の可能性大。また、今回の事件で、上層階ほど高額家賃を取れるという業界の神話が崩れてしまう恐れがある」(同前)


いわせてんか! 米同時テロ事件に関する報道は、アメリカがいつ報復攻撃を開始するかに焦点が移っているが、この衝撃的な事件は、低迷を続ける日本経済にもより一層暗い影を落としつつある。
 折から「オフィスビル2003年問題」として、2003年から2004年にかけて東京都心中心6区(千代田、中央、港、新宿、渋谷、品川)において大型オフィスビルの供給が相次ぎ供給過多につながるのではとささやかれていた。同事件の影響による外資系企業の入居キャンセルによりそれが現実のものとなれば持ち直した都心部の地価を再び押し下げる要因となるとともに、ビルの収支計画が狂えば、登場したばかりの日本版REITにも影響を及ぼすであろう。
 もう一つの「2003年問題」として減損会計の導入があり、すでに一部の財務体質の強い企業では土地の放出を始めており、これが地価の下げ圧力になるとの見方も強い。
 アメリカの報復攻撃が長引けば我が国でも消費不況に拍車をかけるだけである。明るい要素はあまりない。マクロ的にみれば今後とも地価は下落傾向を続けるのではないだろうか。

 




総務省 固定資産税台帳の縦覧範囲拡大を検討
  21C・TFフォーラム 2001.10.1  
 
 総務省は、自らが所有する資産の課税台帳しか見ることができない現在の固定資産税の縦覧制度を改善し、周辺地域の他の固定資産の評価額も見ることができるようにする方向でその具体案の検討に入った。
 課税台帳を縦覧に供するのは、関係者に固定資産税の課税標準額となるべき固定資産の価格等を知らしめるとともに、価格等について不服がある場合には、審査委員会に対して審査申出することができるようにするため。原則として毎年3月1日からの20日間が縦覧期間となっている。だが、現状は自分の固定資産分しか縦覧できず、他の固定資産との比較ができないため、その評価額が適正なのか判断できないという批判が強かった。総合規制改革会議が7月24日に公表した「重点6分野に関する中間とりまとめ」のなかでも、「固定資産税評価額について、当面固定資産税課税台帳の縦覧対象範囲の拡大を図るほか、さらに情報開示の拡充を進めるべきである」と指摘されている。
 そこで、総務省の設置する「地方税における資産課税のあり方に関する調査研究委員会」(委員長/金子宏・東大名誉教授)が同税の情報開示に関する検討を進め、今月から来月にかけて中間報告をまとめることにしたもの。同省はその具体案を基に縦覧範囲の拡大策を平成15年度評価替えから適用することを目指し、次期通常国会にこれらの案を盛り込んだ地方税法の改正案を提出するとしている。
 委員会ではそれ以外にも、以下の事項等を検討する。

イ. 税負担が転化される借地・借家人等への課税情報開示  
ロ. 固定資産の課税明細書の法制化とその記載事項の充実  
ハ. 全国の路線価公開の法制化  


いわせてんか! 固定資産税評価額は、路線価をベースとして個々の不動産全てに付けられており、現在一番詳細な公的評価ゆえ、その情報価値は高い。一方、個々人の持つ財産の個別の評価額であることから、非常にプライバシーの高いものでもある。
 しかし、時代は“公開”へ動いており、土地建物の流動性等景気回復への足がかりを作るためにも必須の条件となっている。この流れを止めるべきではなかろう。
 評価を担当する市町村等公的機関と、これをサポートするに一番適任者である不動産鑑定士への期待とその責任の度合いは、徐々に高まりつつあるといえる。両者は「情報公開」に沿う努力を継続する必要があるだろう。





既存住宅の耐震性能評価業務開始 日本ERI
(住宅新報 Housing TIMES 2001.10.2)
 
 日本ERI(東京都港区)は、耐震性能等級による地震保険割引制度が10月1日からスタートしたことにともない、既存住宅の耐震性能評価業務を開始した。
 地震保険割引制度とは、指定住宅性能評価機関もしくは指定確認検査機関が付与する耐震性能の等級に応じて地震保険の料率が割り引かれるというもの。新築物件のみならず既存住宅でも本制度が利用できることになるが、日本ERIでは既存住宅が耐震等級を得るための評価業務を行う。
 同社では戸建て住宅、共同住宅などの種別や工法にこだわらず評価を行うとしているが、事前に自分の住宅が割引を受けられるか事前に照会できる新サービスをホームページhttp://www.j-eri.co.jp/で開始している。
 評価にかかる料金は、書面審査に必要な全ての書面が完備している場合、戸建て住宅が8万円、共同住宅が1戸のみの場合は40万円、16戸以上の場合は戸当たり2.5万円となる。

いわせてんか!
 地震大国日本では、神戸の震災の印象も強いため耐震性を重視する人も少なくなく震災以後地震保険の加入が増加している。建物の耐震性は我々鑑定業界の人間も非常に興味がある分野なので、今後も更なる情報提供を期待したい。

 



 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

           
 
  ―平成13年10月3日号・完―  
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