週刊アクセス
 
 
平成13年8月8日 第68号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
平成13年・相続税路線価特集
 
     
     
  路線価が9年連続下落、2001年分平均6.2%・二極化進む  
  (2001.8.3各紙 記事はNIKKEINET)  
 
 国税庁は3日、2001年分の相続税や贈与税の算定基準となる路線価(1月1日現在)を全国の国税局、税務署で公表した。全国約40万地点の標準宅地(住宅地、商業地、工業地を含む)の路線価の平均額は1平方メートル当たり13万7000円で、前年の14万6000円から6.2%下落し、9年連続で前年を下回った。ただ、下落率は前年比0.8ポイント縮小し、わずかながらも2年連続の縮小となった。
 地価下落が依然進行するなかで、東京、名古屋、福岡の都心部一等地で上昇に転じた地点がある一方、下落率が20%を超える地方都市もあり、地価の二極化傾向がより鮮明になった。
 全国トップは16年連続で東京・銀座の銀座中央通り。1平方メートル当たり1184万円で、前年より1.4%上回り、3年ぶりに上昇した。
 都道府県別の平均路線価は47都道府県すべてで前年より下落した。下落率は24県で拡 大、20都道府県で縮小、3県が横ばいだった。千葉県は3年連続、大阪府、長崎県は2年連 続で2ケタ台の下落率だった。
 また都道府県庁所在地の最高路線価では、東京のみが上昇(1.4%)した。金沢、長野、高知は下落率が20%を超えている。
 圏域別の下落率は、大阪、兵庫、京都、奈良の二府二県の中心区域からなる「大阪圏」のみが前年の9.6%から9.8%に拡大した。一方、東京都と神奈川、埼玉、千葉の3県のそれぞれの中心区域からなる「東京圏」は7.2%から5.7%に、また愛知県中心部と三重県の一部の「名古屋圏」も4.8%から4.2%へ、その他の地域の「地方圏」も6.3%から5.3%へといずれも縮小。
 土地の用途別でも住宅地、商業地、工業地いずれも下落しており、特に商業地の主要標準地(98地点)の平均額は106万2000円と、前年から10.4%ダウンした。

都道府県庁所在地の最高路線価ランキング

(1平方メートル当たり、単位1000円、カッコ内は前年比%、▲はマイナス、丸数字は前年順位)
順位 前年   最高路線価の所在地 最高路線価
1 1 東京 中央区銀座5丁目銀座中央通り 11,840 (1.4)
2 2 大阪 北区角田町御堂筋 4,120 (▲9.6)
3 3 横浜 西区南幸1丁目横浜駅西口バスターミナル前通り 3,860 (▲9.4)
4 4 名古屋 中区栄3丁目広小路通り 3,590 (▲5.5)
5 5 福岡 中央区天神2丁目渡辺通り 3,160 (▲4.8)
6 6 神戸 中央区三宮町1丁目三宮センター街 2,630 (▲16.5)
7 7 広島 中区基町相生通り 2,270 (▲11.0)
8 7 京都 下京区四条通寺町東入2丁目御旅町四条通 2,140 (▲16.1)
9 9 熊本 手取本町下通り 2,020 (▲9.8)
10 10 仙台 青葉区中央1丁目青葉通り 1,940 (▲10.2)
11 12 札幌 中央区南1条西3丁目南1条通り 1,840 (▲2.6)
12 13 千葉 中央区富士見2丁目千葉駅側通り 1,640 (▲6.8)
13 11 長崎 浜町浜市通り 1,600 (▲16.7)
14 14 静岡 紺屋町紺屋町名店街呉服町通り 1,500 (▲10.7)
15 15 岡山 本町市役所筋 1,460 (▲11.0)
16 16 浦和 高砂1丁目浦和駅西口ロータリー 1,320 (▲8.3)
17 17 鹿児島 東千石町天文館電車通り 1,260 (▲8.0)
18 21 徳島 元町1丁目元町通り 1,070 (▲7.8)
19 18 金沢 香林坊1丁目百万石通り 1,040 (▲22.4)
20 25 新潟 東大通1丁目新潟駅前通り 990 (▲7.5)
21 19 宇都宮 馬場通り2丁目大通り 980 (▲17.6)
22 23 高松 兵庫町中央通り 970 (▲13.4)
23 26 甲府 丸の内1丁目甲府駅前通り 930 (▲10.6)
24 22 水戸 宮町1丁目水戸駅北口ロータリー 920 (▲19.3)
24 20 長野 大字南長野長野駅前通り 920 (▲21.4)
26 28 松山 湊町5丁目伊予鉄松山市駅前通り 910 (▲10.8)
27 26 富山 桜町1丁目駅前広場通り 900 (▲13.5)
28 23 高知 帯屋町1丁目帯屋町筋 880 (▲21.4)
29 29 大分 府内町1丁目中央通り 860 (▲14.0)
30 30 福井 中央1丁目駅前電車通り 850 (▲13.3)
31 32 奈良 東向中町大宮通 810 (▲9.0)
32 31 那覇 牧志2丁目国際通り 750 (▲16.7)
33 32 岐阜 神田町9丁目長良橋通り 740 (▲16.9)
34 34 秋田 中通2丁目秋田駅前通り 730 (▲8.8)
35 35 宮崎 橘通西3丁目橘通り 700 (▲10.3)
36 37 和歌山 友田町5丁目JR和歌山駅前 640 (▲5.9)
37 36 盛岡 大通2丁目大通り 620 (▲18.4)
38 43 松江 朝日町松江駅前通り 560 (▲5.1)
39 39 青森 新町1丁目新町通り 550 (▲14.1)
40 38 山形 香澄町1丁目山形駅前大通り 540 (▲19.4)
40 41 鳥取 栄町若桜街道通り 540 (▲11.5)
40 40 前橋 本町2丁目本町通り 540 (▲14.3)
43 41 福島 栄町福島駅前通り 500 (▲18.0)
44 44 佐賀 中央本町中央大通り 440 (▲15.4)
45 45 羽所町県道津停車場線 340 (▲17.1)
46 46 大津 春日町JR大津駅前通り 330 (▲8.3)
47 47 山口 米屋町米屋町商店街通り 260 (▲5.5)

 (注) 今年1月1日現在の都道府県庁所在地

国税庁 相続税路線価も今年10月にはネット公開

「路線価図等のインターネットによる公開につきまして、多くの方のご要望もあり、国税庁としての対応を検討してきましたが、路線価図等を閲覧される方々の利便向上の観点から、平成13年分の路線価図等を国税庁ホームページに掲載することとしました。
 なお、掲載の時期につきましては、路線価図等のデータが膨大(約11万ページ)であること等の理由から、平成13年10月頃となる予定です。
また、東京国税局で試行的に実施した「路線価図等のCD−ROMによる閲覧」につきましても、同時期に全国拡大することとしています。これにより全国分の路線価図等をどこの税務署でも閲覧できるようになりますので、是非ご活用ください。」





いわせてんか!〜 その1 〜

 路線価とは、相続税や贈与税の算定基準となるもので、主要な道路に面した1平方メー トル当たりの評価額で表される。国土交通省が毎年発表する1月1日時点の地価公示価格 をベースに、国税庁が売買実例や不動産鑑定士などの意見を考慮、地価公示価格のほぼ8 割を目安に算出するものである。
 路線価は、面的評価とポイント評価の違いはあるものの、地価公示と同じ、毎年1月1 日時点の価格である。地価公示についての当欄でのコメントにもあるようにキーワードは「二極化」である。
 但し、近畿圏では、住宅地・商業地とも軒並み下落となっている。この下落傾向は、路線価の価格時点である今年1月以降も続いており、引き続き底が見えない状況で推移している。
 なお、単純な比較であるが、別表の都道府県庁所在地最高路線価の比較は面白い。60 万都市である熊本の最高路線価が政令指定都市である仙台・札幌・千葉のそれを上回るのは、商業地の価格形成の複雑さを物語っているようで興味深い。


 
  いわせてんか!〜 その2 〜   
 既報7/25第66号で、総務省(旧自治省)が2003年をメドに固定資産税評価額をネット公開する記事を紹介したが、今度は相続税路線価である。
 ちょうど今年度の路線価の冊子が8/6に送付されてきて、1冊非常に高いもので、CD-ROM等も販売されているのだが、ネットで閲覧(しかも、全国!)できるのなら来年から当社も費用削減になる。
 ネットであれば、住所等のピンポイント検索が可能であろうし、今年の路線価冊子には地価公示・基準地のポイントもマークされており、これも電子地図上に落とされれば、公的評価の大部分がこのサイトで机上確認・データダウンロードできる可能性が出てきた。おりしもブロードバンド化・常時接続低価格競争のなかで、ネットがコスト面・効用面から、もう一段広く国民に普及する確率が高いので、地価に関する情報公開としてはかなりの効用が期待される。
 記事を総合すれば、公示・基準地は既に国土交通省(旧国土庁)HPにて公開されていることから、「公示-基準地-相続-固定」の公的評価公開が2003年度までに出揃うわけだ。
すべての評価に不動産鑑定士は関与しており、今後さらに説明責任を含めた専門家としての責務が問われてくることになる。




いわせてんか!
 〜 その3 〜
 相続税は評価時点を地価公示と同じく1月1日であり、地価公示と同様に未だ下落傾向との結果であった。確かに右肩下がりのこのご時世において、交通網、大型店舗の開設等の理由によらずした路線価の上昇は考えにくい。東京都心の一部では上昇地点も若干認められるということであるが、全国のその他の地点では下落し続けているのだ(特に大阪でも弱含みな風潮が強い)。
 だが注意すべきは、土地は更地のままでは価値を生み出すものではないということである。土地価格算定において相続税路線価、地価公示などは大いに参考になり、規準としなければならないが、上物を含む複合不動産としていったいいくらの収益を生み、効用を得られるかという本来の不動産の経済価値は不動産鑑定士等にしか見極められない。土地の有効活用こそが地価上昇ひいては日本経済の復活の原動力になるのだから、不動産鑑士等の果たす役割はますます重大となってくる。





いわせてんか! 〜 その4 〜
 路線価が9年連続でダウンしたことにより、相続税の負担が都市部を中心に軽減されることになる。また今年から相続税計算の際に適用される小規模宅地等の特例減額の対象面積が広がったため、比較的面積の狭い土地の相続については大幅に負担が軽くなるケースもある(TabisLand 税務解説集)。税収不足が深刻な我が日本、今度はどのようなトリックで税負担を強いるのであろうか?間接税(特に酒、タバコ)の引き上げだけは勘弁していただきたい。

 



 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。
           
 
  ―平成13年8月8日号・完―  
  戻る