週刊アクセス
 
 
平成13年6月27日 第62号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
住友不動産 大阪に西日本一の高層マンション建設
譲渡所得税 財産分与した不動産は全て夫のものと裁決
コーポラティブハウス〜こだわりの我が家
    銀行去りし後 小売・飲食が出店
 
     
     
  住友不動産 大阪に西日本一の高層マンション建設  
  (日経 H13.6.21)  
 
 住友不動産は20日、大阪市中央区のトーメン本社跡地に、地上50階、高さ約170メートルと西日本で最も高い超高層マンションを建設すると発表した。地下鉄堺筋線・堺筋本町駅まで徒歩4分の利便性と、晴れていれば生駒山系や大阪湾が見渡せる眺望が売り物。マンションの都心回帰の傾向が強まっており、「関西の都心再活性化の起爆剤にしたい」(福室治男取締役)という。
 マンションの敷地面積は3415平方メートル。これまで西日本で最も高かったオークプリオタワー(大阪市港区)の167メートルを抜いて、マンションでは全国でも3番目の高さとなる。
 屋上に水タンクを置いて水の慣性を利用して地震の揺れを緩和する制振装置などを設置、阪神大震災級の地震にも耐えられるという。設計・施工は浅沼組。今秋に着工し、来春に分譲を開始する。2003年末に竣工(しゅんこう)の予定。
 間取りの中心は1LDK―3LDK(70―85五平方メートル)で、中心の価格帯は4000万円台。最高は2億円台(250平方メートル)。総戸数は360戸。子育てが終わったシニア層やファミリー層を中心に、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)としての法人需要なども見込んでいる。
 入居者の要望に対応するスタッフ「コンシェルジュ」を配置し、郵便物の預かりやタクシー・航空券の予約、クリーニングの取り次ぎなど50種類のサービスを提供する。パソコンやスクリーンを備えたOAルームも置く。インターネットを通じた食品・日用品などの注文・宅配サービスもする計画で、高島屋などと協議している。


いわせてんか! 既報5月9日号で首都圏では超高層マンションが好調であるとのトピックをお伝えしたが、関西でも最近超高層物件の供給が増えてきている感がある。さて、この50階建マンションであるが、オークやベルパーク、桜宮リバーシティ等既存の大阪の超高層マンションと異なるのは、船場のど真ん中という立地であろう。安普請の賃貸に住む私などから言わしたら、都心過ぎて逆に買い物等に不便ではないのかと思うのだが、これくらいのマンションを買える層は、デパートで買い物するだろうから不便ではないのであろう。ともあれ、バブル期であれば、この立地の超高層となれば平均分譲単価で億いってもおかしくなかったものが、最新の設計、設備で4,000万円台(あくまで中心価格帯。高層階になればなるほど価格は跳ね上がるはずだが・・・。)で買えるのだから、ある意味ではいい時代になったのかもしれない。一般のファミリー層には向かないと思うが。

 




譲渡所得税 財産分与した不動産は全て夫のものと裁決
(21C・TFフォーラム H13.6.18)
 
 国税不服審判所1999.7.8裁決は、元妻への不動産等の財産分与後、元妻との共有財産であることを理由に、財産分与した不動産は半分になるとして譲渡所得税の更正の請求をしたところ、更正すべき理由がない旨の通知処分を受けたことからその取消しを求めた事案につき、婚姻中に元妻に不動産の所有権が移転していた事実は認められないと判断、審査請求を取り消した。
 裁決は、民法762条が夫婦のいずれかに属するか明らかでない財産はその共有に属するものと推定する旨規定し、いわゆる夫婦別産制をとっていると解釈できることから、婚姻中に得た所得や財産の全てが、夫婦の共有になるものではないと指摘。そのため、婚姻中の相互の協力や寄与によって得た資産でも、いずれか一方の名義となっている場合は、他方の特定財産であることが明らかである時、共有財産であることが明らかである時、単なる名義貸しであることが明らかである場合を除き、その名義人を所有者として取り扱うのが相当であるという判断を示した。
 しかし、請求人の提出した資料からは、上記のような元妻が不動産の取得資金を全部又は一部を拠出した事実、元妻が事業を引き継いだ時点で不動産の所有権が夫から移転していた事実は認められないと指摘して、審査請求を棄却している。

いわせてんか! 譲渡所得税における「譲渡」とは、有償無償を問わず、所有資産を移転させる一切の行為を含むため、通常の売買のほか、交換、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用、法人に対する現物出資なども含まれる。もらった配偶者は、妥当な財産分与請求権の範囲であれば贈与税は課税されないが、分与した方は不動産を「譲渡」しているため、課税される。タダでとられた挙句に税金負担とは厳しい!という声が聞こえるが、「別れたい」「別れる責任がある」当人としては致し方ないところか。
 本裁決では夫名義の不動産が妻との相互協力で得た共有財産かが争われたのだが、これを立証するためには少なくとも妻が応分負担していた事実が必要だろう。しかし、財産分与の性質は社会情勢の変化により浮動的であるため、将来同様の結果が出るとはかぎらない。今回は裁決のため、今後裁判になればその結果に注目したい。
 なお、不動産が居住用財産なら、配偶者には適用されないため、離婚後に譲渡すれば3000万円の控除が受けられるので注意が必要だ。





コーポラティブハウス〜こだわりの我が家
(日経産業新聞 H12.2.19)

 コーポラティブハウスは顧客がまず共同で土地を購入して、建設組合を結成する。各住戸の希望間取りや内装を建築設計士と打ち合わせながら煮詰める。通常のマンションではデベロッパーが売れ残りや土地保有のリスクを被る分、分譲価格の2割程度の利益を上乗せする。コーポラティブは不動産会社を介さないために通常マンションより分譲価格が一割以上安くなる。

いわせてんか!
 
 H13.6.25日本テレビ系列「スーパーテレビ」でも最近の不動産トレンドの中でいわゆるコーポラティブハウスが大きく取り上げられていた。以前は上記のように価格を抑えることが出来る事に重点が置かれていたが、特に最近はいわゆる「こだわり」が重視されているようである。放送の中で特に興味深かったのは専用庭の隔たりを無くし、各戸の占用庭が開放されているマンションの例である。マンションといえばプライバシーの保護が大きな魅力であったはずであるが、昨今の「こだわり」は計り知れない。ただし、この例に限らず「こだわり」は必ずしも万人には受け入れられず、将来の流通性を考えると安全資産とはなり得ないことは留意すべきであろう。





銀行去りし後 小売・飲食が出店
(日経 H13.6.26)

 大阪市内や神戸市内などで金融機関が閉鎖・縮小した支店を利用する小売業、飲食業の出店が増えている。コンビニエンスストアや紳士服店、コーヒー店などのチェーン企業が、メーンストリート沿いや駅前などの一等地が多い銀行支店の売却・賃貸物件に着目して進出を積極化しているためだ。大手都銀の合併などによる店舗の統廃合の実施は今後、関西各地で本格化するとみられ、衰退する中心市街地の活性化に結びつく可能性もある。


いわせてんか! 先日、久々に神戸へ遊びに行ったとき、東海銀行跡にベネトンの大型店が建てられているのに驚いた。ただ大きいだけと言えばそれまでだが街並みはガラッと変わり周辺商業施設とうまく相互依存関係を保てている感じを受けた。暗い話が多い関西経済に明るい兆しがみえてきたと考えたいものである。

 



 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

           
 
  ―平成13年6月27日号・完―  
  戻る