週刊アクセス
 
 
平成13年6月6日 第59号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
再建築は21万戸で減少傾向 国土交通省調べ
大阪・道修町 伝統の薬の街に国際競争の波
必見。大阪市中央区船場地区の不思議
    イー・リード 独立開業へ指南
 
     
     
  再建築は21万戸で減少傾向 国土交通省調べ  
  (Housing TIMES 2001・6・4)  
 
 国土交通省はこのほど、新設住宅着工戸数の統計をもとに、既存の住宅を取り壊して、同じ敷地内に再び住宅を着工する「再建築」に関する2000年度のデータを発表した。
 再建築のために取り壊された住宅戸数は全体で17万2439戸、その跡地に再建築した戸数は21万7198戸だった。再建築により1.26倍の住宅が建築されたことになる。
 再建築を利用関係別に見ると、取り壊された住宅の内訳は持家が13万6852戸、貸家が3万2491戸、給与住宅が3096戸。再建築された住宅は、持家が12万7641戸(再建築戸数/除却戸数=0.93倍)、貸家が6万5971戸(同2.03倍)、給与住宅が1927戸(同0.62倍)、分譲住宅が2万1659戸(戸建住宅3682戸、マンション1万7729戸)だった。
 また新設住宅着工戸数に占める再建築による着工戸数の割合(再建築率)は、全体では17.9%(前年度比1.6ポイント減)、持家は29.2%、貸家は15.8%、分譲住宅は6.3%(戸建2.9%、マンション8.1%)だった。再建築率は、年々減少傾向にある。都市圏別に再建築率を見ると、首都圏20.3%、中部圏16.9%、近畿圏15.3%、その他地域17.2%で、首都圏の再建築率が高い。



いわせてんか! 「再建築」の戸数が減ったという上記記事の内容とは関係あって関係ないような話で申し訳ないが、「再建築」できない土地があることをご存じだろうか?不動産に携わる仕事をしているとか、住宅取得のため熱心に勉強している人などを除いて、あまり世間一般に知られていない事実である。現状ではデーンと建物が建っているのに、その建物を壊してしまったら最後、その土地にもはや建物は建てられなくなるケースがあるのだ。
 例えば、表の道路から一本入った私道に沿って開発されている建売住宅をよく見かける。このような建売住宅の場合、その私道の位置づけが重要となる。その私道が「位置指定道路」であれば特に問題ないが、中には新築物件であっても将来再建築不可となる可能性の高いケースがある。建築確認申請の際、表の道路に沿った長屋であると申請し、その後分筆し一戸建て住宅として販売しているような建売住宅がこれに該当する。この場合一本入った私道は単なる「通路」すなわち建築基準法上の「道路」に該当していないことが多く、したがって、奥の「通路」にしか接していない土地は将来建て替えようとした時に「再建築不可」といわれる羽目になる。いまでもこういう物件を「好評分譲中」などとノボリを立てて平気で売っている業者がいるので要注意である。
 その他、市街化調整区域内に存する物件を購入する場合も、物件にもよるが通常の市街化区域内の物件よりは注意が必要となるだろう。
 なお、自分が購入しようとしている物件が将来再建築可能であるかどうかは役所の建築指導課等で問い合わせれば教えてくれる。

 




大阪・道修町 伝統の薬の街に国際競争の波
(日経 H13.6.4夕刊)
 
 日本の医薬品業界のルーツ、大阪市中央区道修町(どしょうまち)が変貌を遂げている。江戸時代から大手製薬会社が軒を連ねる伝統と格式の街は、バイオや遺伝子情報を駆使した生命科学という21世紀の成長分野を担うハイテク産業の担い手としての期待を集め始めた。
 ひとつの変化は、行き交う外国人の姿が増えたこと。企業の合併・買収(M&A)を繰り返す欧米の巨大製薬企業にとって、道修町の医薬品各社は日本攻略のための橋頭堡としての重要性を増している。
 90年代後半、御堂筋へ進出した武田薬品工業・武田国男社長は、5/21に発表した中期計画で「国際製薬企業への脱皮」を宣言。それは道修町の仲間内の競争から厳しいグローバル競争に乗り出す覚悟の表れとも取れる。伝統と変革がせめぎ合う中で道修町の風貌は着実に変化している。


いわせてんか! 薬の街が変貌する。特定業種の商業地域が、業界内部の構造変化のために、いわば外圧で変化の過程にさらされているわけだ。日本は往々にしてこの"外圧"がないと内部から変革しない体質をもっているのだが、これをチャンスと捕らえ業界(地域)活性の端緒とすべきであろう。
 先週の記事でも指摘があるが、経営者の創意と資力で「魅力ある街」を作り上げれば、そこには自然と人が集まってくる。これがまた、いい店を呼ぶ好循環を生み出す。"シリコンバレー"ではないが、道修町を医薬品の国際拠点とするぐらいの意気込みで荒波を乗り切って欲しい。





必見。大阪市中央区船場地区の不思議
参考〜大阪市計画調整局建築指導部指導課宅地係の船場建築線のパンフレット〜

 船場建築線とは、「船場建築線指定図」に指定された道路について、道路の中心より5又は6mを道路の境界(スミキリ含む)とみなし、後退部分を建築基準法上の建築敷地に含めないというものである。
 船場地区は、幅員約6m及び約8mの道路を中心に古くから市街地が形成された地区であり、現在の建築基準法をあてはめると、既存の建築物よりも小規模の建築物になる可能性がある。そこで、延べ床面積の増加、歩行者空間の確保等を目的として、旧市街地建築物法第7条但書に基づき昭和14年4月に大阪府告示第404号によって指定されたものである。現在では船場建築線は建築基準法附則第5項の規定によって建築基準法第42条第1項第5号の規定による道路の境界線とみなされている。

いわせてんか!
 
 大阪市中央区船場地区には上記の船場建築線が指定されている。古くからの指定であり、特に大阪以外の業者の方には案外知られていない規制かもしれない。
 ただし、この規定はいわゆる2項道路の中心後退と似通っている点も多く、物件調査にあたってはかなり慎重になるべきである。道路幅員拡幅より、延べ床面積が増加する一方で有効宅地面積が減少すると考えられるからである。
 なにはともあれ、大阪市内中心部の区画整然とした地区でさえ、セットバックらしき規制があるということは、物件調査の困難さと不動産の奥深さを感じる。





イー・リード 独立開業へ指南
(日経 H13.6.5)

 商圏調査や商業用不動産情報サービスのイー・リード(神戸市、井上隆雄社長)は、飲食店や美容院など個人営業での独立開業を希望する人に事業計画書の作成方法を教える事業を6月15日から始める。会場は大阪梅田周辺ビルになる予定。受講者には商圏調査に基づく出店計画のほか、商品の仕入れ先企業や店舗の内外装工事会社を紹介するなど開業までを指導する。


いわせてんか! 自ら店舗を営もうとする人や商売人は、職人としてのキャリアが十分であっても、短期的な資金のやりくりに追われる事が多く、意外としっかりした事業計画を導けないものである。そういった意味で、同社のアイデアは興味深い。
 講義の日程は5日間で、1日当たりの講義時間は3時間、入会金が3万円、授業料は15万円だそうだ。講義の合間には、店舗用リース会社や信販会社、金融機関の担当者を紹介するコーナーを設け、開業準備を始められるようにするらしい。商売は計画通りに行くほど甘くはないが、こういった講義も参考にして、大阪の商業地を活気づけて欲しいものである。

 



 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

           
 
  ―平成13年6月6日号・完―  
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